I様 男性 43歳


ワーキングメモリトレーニングの結果報告

I様(43歳)、はワーキングメモリトレーニングを**- **の間に行いました。

I様は、ほぼスケジュール通り、25日間のトレーニングを完了することが出来ました。

トレーニングの結果

I様のトレーニング結果は、①トレーニング・インデックス、②評価スケールによる行動アセスメント、そして③ラップアップ・セッションで示されたトレーニング効果の3つの側面から説明することが出来ます。

ワーキングメモリ・インデックスとは 

ワーキングメモリの容量は、トレーニング期間中に定期的にいくつかのエクササイズの結果をもとに計算され、トレーニング・インデックスとして示されます。ワーキングメモリの改善(インデックスの向上)は、トレーニングの開始時に計算されたインデックス(開始時のインデックス)とトレーニング期間中に得た最高のインデックス(最高インデックス)とを比較することで計算されます。

18歳以上のトレーニング完了者の平均的な改善は26点で、通常は17-35点の間に位置します。ここで重要なことは、インデックスはワーキングメモリを測定するためのひとつの手段に過ぎず、日常生活場面で使われるワーキングメモリへの直接的なトレーニング効果に対応するものではないということを念頭においていただくことです。



I様の開始時のインデックスは79点であり、18歳以上でワーキングメモリにむずかしさのない方とよりひくいと考えられます。トレーニング期間中にI様は、最高インデックスとして107点をマークし、これは、28点の向上となります。これはワーキングメモリトレーニングを受けた他の方と比べて大変素晴らしい改善であると考えられます。

評価スケールによる行動アセスメント

トレーニング前後でのアンケート調査より、I様の不注意と多動性・衝動性症状の査定が行われました。その値が小さいほど、症状がより緩やかなことを示します。トレーニング効果を測定する方法の一つは、トレーニング後に記入された行動アセスメントとトレーニング前に記入された行動アセスメントを比較することです。症状減少の程度が大きいほど、トレーニング効果が大きいことを示します。回答の変化に加え、トレーニング効果におけるその他の側面、ラップアップ・セッションで示されたI様からのトレーニングに対する意見も考慮にいれます。

変化の信頼性を保つために、I様の症状評価は、ワーキングメモリトレーニングを経験された他の方々の変化と比較します。以下の表は、他の18歳以上の方々と結果をグループレベルで比較して算出されたI様の症状改善程度を示したものです。


 ご本人の評価合計点


事前

事後

変化

効果








なし

やや改善

改善 

大幅な改善

注意

29

19

10

 

 


○ 

多動性・衝動性

18

16

3

○ 


 

 


I様より、トレーニングの評価(トレーニング前)とトレーニングの評価(トレーニング後)をご記入いただき、ご送付いただいたものをこちらに転記致しました。

「注意」に関する項目においては、大幅に「たいへん頻繁」だったものが「ときどき」の回答になっており全体的に改善が見られました様ですね。

「多動性・衝動性」に関する項目においては、  増えたものと減ったものとがあったようですね。


 

ラップアップ・セッションについて

25日間、集中力が必要なこのトレーニングを行うのは大変なことだったと思います。しかし、トレーニングを通して、意欲的に取り組んでくださいました。

トレーニングを終えて、I様は、ワーキングメモリーのトレーニングは、内容がヘビーで、毎日終わるとぐったりしていたとおっしゃっていました。しかし、そんななか非常に努力をされ、物事を先送りしてしまうのは、頭の中で段取りを立てられないから、めんどくさいからやだったのが、順序を組み立てて段取りをくめるようになったとおっしゃいました。また、いくつかの情報が同時に入るとパニックになったのが、少しずつ受け止められるようになった。何をすればいいのか判ってきたとおっしゃっていました。


I様に見られた3つの顕著な効果は、 以下の通りです。

・注意力の改善

・物事の先送りの改善

・複数の情報を受け止める事への改善