Bさん 女子 18歳


ワーキング・メモリートレーニングの結果報告

Bさん、18歳、はワーキング・メモリートレーニングを**-**の間実施し、25回のトレーニングを全て完了しました。

Bさんによると、得意なエクササイズは<入力モジュール>であり、苦手なエクササイズは<3D立方体>とのことでした。トレーニングは内容も回数もどちらかというと大変だったと言っていました。Bさんは、強い意志のもと、最後までトレーニングをやり遂げることができました。

トレーニングの結果

Bさんのトレーニング結果は、①ワーキング・メモリーのインデックス、②評価スケールによる保護者の行動アセスメント、③ラップアップセッションで示されたトレーニング効果の3つの側面からわかります。

ワーキング・メモリー・インデックスとは

ワーキング・メモリーの容量は、トレーニング期間中に定期的にいくつかのエクササイズの結果をもとに計算され、ワーキング・メモリー・インデックスとして示されます。ワーキング・メモリーの改善(インデックスの向上)は、トレーニングの開始時に計算されたインデックス(開始時のインデックス)とトレーニング期間中に得た最高のインデックス(最高インデックス)とを比較することで計算されます。ワーキング・メモリートレーニングを完了した人の平均的な改善は23点です。ここで重要なことはインデックスは、ワーキング・メモリーを測定するための手段に過ぎず、日常生活場面で使われるワーキング・メモリーへの直接的なトレーニング効果に対応するものではないということを念頭においていただくことです。


Bさんの開始時のインデックスは83点であり、同年代でワーキング・メモリー障害のない方よりもやや低いと考えられます。トレーニング期間中にBさんは、最高インデックスとして104点をマークし、世界の同年齢の平均を上回り、21点の向上となりました。これはワーキング・メモリートレーニングを受けた他の人と比べて素晴らしい改善であると考えられます。

評価スケールによる保護者の行動アセスメント

トレーニングの前後に保護者が、いくつかの質問に回答することで、Bさんの不注意と多動性・衝動性の程度に減少が見られたかを査定します。その値が小さければ小さいほど、症状がより緩やかなことを示します。トレーニング効果を測定する方法の一つとしては、トレーニング後に記入された行動アセスメントとトレーニング前に記入された行動アセスメントを比較することです。症状の程度がより大きな減少を示しているほど、トレーニング効果が大きいことを示します。保護者の回答の変化に加え、トレーニング効果におけるその他の側面、ラップアップ・セッションで示されたBさんと保護者の方からのトレーニングに対する意見も考慮にいれます。

変化の信頼性を保つために、Bさんの症状の評価は、ワーキング・メモリートレーニングを実施した方々と比較して検討されます。以下の表は、そのグループと比較して決定されたBさんの症状改善の程度を示したものです。


 保護者の方の評価


事前

事後

変化

効果








なし

やや改善

改善 

大幅な改善

注意

18

7

-11




多動性・衝動性

3

0

-3





保護者の方に記入いただきました事前・事後のアンケートの結果ですが、注意に関しては大幅な改善が見られました。多動性・衝動性に関しては、もともとあまり問題行動が見られませんでしたが、トレーニング終了後は気になる点が全くなくなっていました。

ラップアップ・セッションについて

トレーニングを終えて、Bさんは、「中盤から後半にかけて慣れてきたが、逆に面倒くさくなってきて大変だった」、「ご褒美はあった方がいいと思った。最後に一応ご褒美はもらいました」、「スケジュール表も使った。あってよかったと思う」、「RoboRacingはおもしろかった。カギを全部集めることができた」、「トレーニングをやることで、集中力が高くなったと思う」などと言っていました。

保護者であるお母さまからは、「ちょうど時期的にも、本人が意欲的だったのがよかった。また、最後まで投げ出さずにできたこともよかった」、「今までは出来ているうちはよいのだが、ハードルが上がると投げ出してしまうことが多かったので今回は感心して見ていた」、「トレーニングの満足度は80点くらい、やってよかったと思います。生活の中でのイライラ感が見られなくなった」、「受験の準備とトレーニングが重なったが、不安なことをしっかりと先生に相談できていた。踏んばり方、頑張り方は今までに見られないものがあった」、「2~3週間目に入ると受験そのものが終わったこともあり中だるみしてしまったがお母さまは声をかける程度でトレーニングに迎えた」、「検定試験を受験した。リスニングの問題もあったが、その時にどうも自分は耳からの情報の方が覚えやすいと気づき、自分がやりやすい方法を見つけようとしていた。また、先生に自分はこういう所が苦手だと言葉で伝えていた」などといったコメントをいただきました。お母さまがBさんを大きな目で見守っていて下さり、励まし、認めてくださったことがBさんにとって大きな励みとなったと推測されます。

Bさんに見られるトレーニング中の効果は、

記憶力の向上

(物事を覚えていられるようになり、先生に伝えないといけないことを伝えられている)


忘れっぽさの軽減

(外出時にコンセントを抜くなどとドアに書くことで忘れない)


頭の中がごちゃごちゃしなくなったこと

(勉強していても頭の中が散らかっていない感じ)


作業中に邪魔が入っても言葉で伝えたり、コントロールできるようになったこと

(家でお母さまが課題をやっている間に話しかけたら、場所を移動したり、「イライラするからやめて」「向こうに行って一人でやるから」などと言葉で伝えられた)


部屋の片づけができるようになったこと

(長いこと放置していたことをへこたれずにやり通せた、3日連続してできた)


課題を先送りしなくなったこと

(入試の資料を期限までにまとめあげ、自分で郵便局に持って行けた)


などです。