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E君 男子 12歳


ワーキング・メモリートレーニングの結果報告

E君、12歳、はワーキング・メモリートレーニングを**-**の間実施し、25回のトレーニングを全て完了しました。

E君によると、得意なエクササイズは<入力モジュール>であり、苦手なエクササイズは<スペーススマック>とのことでした。トレーニングは序盤コンピュータの操作がうまくいかず苦労することもあったが、次第に慣れてくると自らトレーニングに向かうことができたと言っていました。E君は、強い意志のもと、最後までトレーニングをやり遂げることができました。


トレーニングの結果

E君のトレーニング結果は、①ワーキング・メモリーのインデックス、②評価スケールによるご本人の行動アセスメント、ン③ラップアップセッションで示されたトレーニング効果の3つの側面からわかります。

ワーキング・メモリー・インデックスとは

ワーキング・メモリーの容量は、トレーニング期間中に定期的にいくつかのエクササイズの結果をもとに計算され、ワーキング・メモリー・インデックスとして示されます。ワーキング・メモリーの改善(インデックスの向上)は、トレーニングの開始時に計算されたインデックス(開始時のインデックス)とトレーニング期間中に得た最高のインデックス(最高インデックス)とを比較することで計算されます。ワーキング・メモリートレーニングを完了した人の平均的な改善は23点です。ここで重要なことはインデックスは、ワーキング・メモリーを測定するための手段に過ぎず、日常生活場面で使われるワーキング・メモリーへの直接的なトレーニング効果に対応するものではないということを念頭においていただくことです。


E君の開始時のインデックスは88点であり、同年代でワーキング・メモリー障害のない方と同等であると考えられます。トレーニング期間中にE君は、最高インデックスとして121点をマークし、世界の同年齢の平均=79を大きく上回り、33点の向上となります。これはワーキング・メモリートレーニングを受けた他の人と比べて大変素晴らしい改善であると考えられます。

評価スケールによる保護者の行動アセスメント

トレーニングの前後に保護者が、いくつかの質問に回答することで、E君の不注意と多動性・衝動性の程度に減少が見られたかを査定します。その値が小さければ小さいほど、症状がより緩やかなことを示します。トレーニング効果を測定する方法の一つとしては、トレーニング後に記入された行動アセスメントとトレーニング前に記入された行動アセスメントを比較することです。症状の程度がより大きな減少を示しているほど、トレーニング効果が大きいことを示します。保護者の回答の変化に加え、トレーニング効果におけるその他の側面、ラップアップ・セッションで示されたE君と保護者の方からのトレーニングに対する意見も考慮にいれます。

変化の信頼性を保つために、E君の症状の評価は、ワーキング・メモリートレーニングを実施した方々と比較して検討されます。以下の表は、そのグループと比較して決定されたE君の症状改善の程度を示したものです。

 保護者の方の評価


事前

事後

変化

効果








なし

やや改善

改善 

大幅な改善

注意

8

6

-2




多動性・衝動性

2

0

-2





保護者の方に記入いただきます事前・事後のアンケートの結果ですが、注意、多動性・衝動性にいずれの項目においてもやや改善が見られました。


ラップアップ・セッションについて

トレーニングを終えて、E君は、「トレーニングはご褒美がなくても頑張れたと思う」、トレーニング効果については分からない」、「RoboRacingはあまりやっていない」などと言っていました。

保護者であるお母さまからは、「思っていたよりもスムーズにトレーニングをこなせた」、「毎日時間になるとトレーニングを淡々とこなしていたため、心配することはなかった」、「ご褒美は導入し、CDのアルバムを購入できる位のお金を貯めていった」、「本人の中ではできるものとできないもののでこぼこを気にしていた」、「満足度としては70点くらい」、「全てにおいてよくなった気がしている」、「今までも得意なことはたくさんあったが、苦手なものに引っ張られていたような気がする。そのために萎縮していたところもあったが、今後は本来持っている力が伸び伸び出せればいいなぁと思っている」などといったコメントをいただきました。お母さまがE君を大きな目で見守っていて下さり、必要に応じて励まし、認めてくださったことがE君にとって大きな励みとなったと推測されます。

E君に見られるトレーニング中の効果は、

忘れ物が減ったこと


寝起きがよくなったこと、朝の準備等がスムーズになったこと

(目覚ましをかけて自らシャワーを浴び、早めの電車に乗って登校している。本人がそれを気持ちよく感じている様子)


自分の感情(イライラ等)を抑えられるようになったこと

(「前の僕だったら、切れていたけど我慢できた」などという発言が聞けるようになった)


ノートをきれいに取れるようになったこと

(黒板に書かれていることをちゃんときっちり板書できている)


などです。